静岡県藤枝市にある順心高校附属幼稚園からご依頼をいただき、およそ1年半にわたって絵画指導の研修を行なっています。

筆の持ち方や絵の描き方を丁寧に教えていた、それまでの絵画指導を大きく見直し、「こどもたちがのびのびと描きたいものを描く」授業を目指し始めた2023年1月。
先生方との複数にわたる対面研修、オンラインセッション、そして先生方の実践と振り返りを重ねました。
その途中に行った「藤枝市私立幼稚園・認定こども園協会 南ブロック全体研修会」では、県内の幼児教育現場に携わるみなさんに、この取り組みを共有する機会をいただきました。

1年半の模索を経て、えのぐを使って自由に描く共同制作や、対象をじっくり観察し自分の解釈を描く個人制作、子どもたちの想像力を誘発するきっかけが盛り込まれた授業、結果ではなくプロセスを保護者に伝えることを目的とした作品展など、先生・こどもたちの創意工夫溢れる表現の場が構築されました。
そんな授業で生まれた作品は、大人が「上手だ」と感じる絵だけでなく、「つめたい」「あったかい」「うれしい」などを抽象的に表現する作品も。それらがこどもたちの中から自然に生まれたそうです。
自分の中にある、それまでの常識を見直し、不安がある中でも新しいことに挑戦する先生方の勇姿と、それと呼応するようにまっすぐ表現を楽しむこどもたちの姿がとても印象的なプロジェクトとなりました。